水彩画の巨匠、奥津先生の風景画技法より学んだこと!

水彩画家のすなおです。

皆様は「水彩画プロの裏ワザ」という本をご存じでしょうか?

ちょっと昔の本なのですが、

水彩画家を志している人なら1度は本屋で目にしたことがあるのではないかと思います。

著者は、水彩画家の巨匠「奥津国道」先生です。

江戸時代に活躍した「東海道五十三次」や「名所江戸百景」で知られる歌川広重を尊敬する奥津先生の水彩風景画は、広重のような繊細な線を描き、見るものの心を魅了してやみません。

今回は、そんな水彩画の巨匠である奥津国道先生の本を読んで気付いた事や、学んだことを水彩画家の視点で書いていきたいと思います。

それにしても奥津先生の水彩風景画は透き通った色使いが美しく、素晴らしいです。

透明水彩とは何か?を感じさせられます。

では、早速参りましょう。

水彩風景画の巨匠の本を読んで!

私が、「水彩画プロの裏ワザ」という本をはじめて読んだのはかれこれ10年以上昔の事です。

当時、私は別の有名な先生のもとで水彩画の何たるかを学んでいました。

構図の勉強をひたすらしていたので静物画を毎日描いていました。

※修行時代の静物画

その時の勉強のお陰で、絵画における構図の大切さを体で学ぶ事ができました。

さて、そんな絵描きとして伸び盛りだった私は、書店で1冊の本と出会いました。

「水彩画プロの裏ワザ」

同じようなタイトルの本は数多くありますが、本のタイトルよりもインパクトがあったのが、緻密な水彩画の表紙です!

※著作権の問題等を考えて写真は貼りませんが、とにかく繊細で美しい絵なので検索して見てください。現代は便利ですね!インターネットで何でも調べられるのですから。

よく、CDなどでジャケットに惹かれて歌も知らないのに買ってしまうことがありますが、この本は表紙だけで購入させる力を持っていました。

隅々まで読んで、私が思った感想は、

「自分にはこの絵は描けない!」

という一言でした。

描けないとは一体どう言うことでしょうか?

美しい水彩風景画=描きたい風景画ではない!

奥津先生の水彩画は、本当に惚れ惚れするほどの美しさであり、真似をしたいという人が沢山います。

私も、その美しい水彩風景画に魅了された一人なのですが、見て美しいと思う気持ちと、描きたいと思う気持ちは別物だと言うことが分かりました。

変な例えですが、凄いイケメンや美人に憧れても、結婚を考えればまた話がかわると言えば伝わるでしょうか?

奥津先生の絵は、とても自分では描けない凄い絵なのですが、自分自身が描きたいと思う絵では無かったのです。

本の裏ワザの通りに真似をすることはできるかもしれませんが、それは形だけであり、自分の個性を生かした絵にはなりません。

その事から、私は「描けない!」と思ったのでした。

気持ちのこもる水彩風景画とは?

またまた変な例えを話しますが、
和食の料理を極めようとしている利用人が、とても美味しいフランス料理に巡りあったとします。

そのフランス料理がいかに美味しくても、和食を極めようとしている以上、突然フランス料理に転向することはほとんど無いことでしょう。

ただ、その技術やエッセンスを和食に取り入れようとは考えるはずです。

私は、奥津先生の美しい水彩画は描けないと思いましたが、そのプロの裏ワザやエッセンスには大変感銘を受けたのを覚えています。

水彩画の巨匠、奥津先生と私の絵の違いについて

さて、では具体的に奥津先生と私の絵はどこがどう違うのかを見ていきたいと思います。

・線と面との違い

奥津先生は、水彩風景画を線で捉えて表現しています。

鉛筆によるデッサン力も、外形をしっかりと捉えています。

ただ、その線の美しさが非常に際立って繊細なため、普通の画家よりも一線を越えた魅力があります。

一方、私の水彩風景画は、面で捉えています。

遠景となる風景は、はっきり描き込まず、曖昧なぼやけた表現を使います。

※写真はすなおの風景画

印象派が細部を稚拙に描いて光と影の雰囲気を大事にしたように、私も見たままを正確に描く事はしません。

いや、正確に描く事が苦手なのかも知れません。

・影の付け方について

奥津先生の美しい水彩画の影は、グリサイユ画法という技術によって表現されます。

先に影を塗ってから着彩する、奥津先生の代名詞とも言える画法です。

これによって、あの透明感のある美しい水彩風景画が完成します。

私の影の付け方は、ペンによるカケ編みで表現します。

影の濃淡を、カケ編みの量で調整しています。

・下描きにかける時間の違い

奥津先生は、下描きにもっとも時間をかけます。

それもそのはず、あの緻密なデッサンを見ればどれだけ神経を注いでいるかがわかります。

一方、私は下描きに全然力を入れていません。

それは、ペン入れの行程が入るからです。

奥津先生もペンを使用することがありますが、私の場合、ペンが命な所があります。

鉛筆の下描きはほんとになぞる程度で、ペンのデッサンに神経を注いでいます。

どちらも共通することは、色塗りにはそこまで時間をかけないことです。

水彩風景画の上達法は自分を知ること!

んで、結局何が言いたかったというと、水彩風景画を上達させるには、自分を深く知る必要があると言うことです。

巨匠の奥津先生と私の間には、冷静に分析するとこれだけの違いがあります。

要するに、自分が目標としている画風とはかけ離れていると言うことです。

それなのに、素敵な絵だからと真似だけしても、けして自分の理想的な絵にはなりません。

これは、とても大事なことです!

良い絵が自分の理想とは違う事はよくあります。

それは、隣の芝生は青いと言うやつです。

自分の個性を発揮できない人は、こうやって隣の芝生ばかり見つめてはあちこちに浮気ばかりをしてしまいます。

では、どうすれば自分の個性を生かした絵が描けるようになるのでしょうか?

それは、自分を知ることで個性を生かした作品が描けるようになります。

個性は基礎の積み重ねで見つかる!

自分を知るには、簡単に素敵な絵に飛び付くのではなく、まず基礎をしっかりと学ぶことです。

絵における基礎とは何でしょうか?

それは、やはりデッサンです。

デッサンを日々積み重ねてきた人は、おのずから自分の個性が形に現れます。

そういった人は、自分がどういう絵を描きたいかが自然と分かるのです。

自分を知るには、まずデッサンをひたすらすることだと思います。

ひたすらデッサンをしたうえで、それでも奥津先生の美しい水彩画が理想的だと思えるのなら、それは間違いない直感でしょう。

控えめに言うと、私のような風景画を描いてみたいと思う人もいるかもしれません(笑)

とにかく、理屈を越えて数を重ねた絵描きこそが、自分の目標を明確にすることができるのです。

巨匠を通して自分を知る

結論の話をします。

私は、奥津先生の「水彩画プロの裏ワザ」を読むことで、さらに自分と言うものを知ることができました。

凄い巨匠の考え方や画風は、どのような画家にでも参考になることと思います。

ただ、物真似だけで終わるようではいけません。

もしも、巨匠と考え方が違うのならば、そこから自分ならどうするか?とか、どのように応用するか?等を学ばなければなりません。

その、学ぶ姿勢を作るためにも、日頃から基礎であるデッサンを積み重ねて、自分と言うものを深く知っておくことが大切です。

そうでなければ、いつまでたっても隣の芝生は青い状態で個性の無い画家となってしまうからです。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

世の中には沢山の絵の描き方の本が出ています。

それらを通して学ぶことは沢山ありますが、技法コレクターになってはいけません。

自分の画力を磨くことを怠っていながら、技法だけを手にいれようとするのは無理だと思って良いでしょう。

尊敬する画家の良いところや裏ワザを本気で学びとりたいのならば、日頃から基礎であるデッサンを描き込むことです。

今日はこれまで、またお会いしましょう。

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